トラさん〜私が猫になったワケ〜

 

 

このブログをお読みになる前に先にいくつかの注意事項をご確認下さい。

 

①盛大にネタバレを含みます。その為これからご覧になる予定のある方、ネタバレは避けたいという方はとりあえず本作「めちゃくちゃ泣く」ということを心に是非劇場へ。

 

②このブログは本作の主人公・高畑寿々男を演じた北山宏光さんのファンが、多重にかかったフィルターを通して観た感想になります。

 

③わたし個人の意見・感想であり、映画をご覧になった全ての方の意見・感想ではございません。

 

④上記3項目に理解・同意の得られない方は読まないで下さい。理解・同意を得られないまま進まれ、盛大にネタバレされても一切の責任を負いかねます。ご了承下さい。

 

 

以上お読みになられた上で、大丈夫だと思われた方はスクロールしちゃってくださいな𖤐

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ようこそ。はじめまして。

北山宏光さんのファンをしております。

あびと申します。

5時間前に観てきたばかりで感想をそのまま文章にしております。記憶が抜け落ちているところ、至らないところが多々あるとは思いますが、どうか甘〜く見て頂けると嬉しいです。

 

 

 

まずは。

トラさん〜僕が猫になったワケ〜 公開おめでとうございます。関係者の方々には感謝しかありません。

映画を企画し製作し公開・興行することがどれほど大変かということの全てが分かるわけではありませんが、ここまで来たのであれば観客であるわたしたちに任せて頂ける部分も多くあるのでは、と思っております。

無事2月15日を迎えることができ、すごくすごく嬉しいです。

 

 

 

 

それでは感想を。

 

 

トラさんのお話を耳にした時は初め「猫?なにこの着ぐるみ。ダサ。え?これを北山さんが?なんで?」って思いました。「あ〜よくある、死んだ人間がやり残したこと・後悔を解消しに畜生になって帰って、何かしらのメッセージを残して死に戻るお話ね。」なんて思ってました。

歯を食いしばります。どうぞぶん殴ってやってください。何発でも。

 

だけど予告を見て「裏切られた〜」と思いました。いい意味でですよ。

期待しかないだろこんなの!

映画『トラさん~僕が猫になったワケ~』予告編 - YouTube

 

それからたくさんの媒体で見かけるトラさんの公開を楽しみに日々過ごしました。

どんな内容だろうと与えられた仕事に直向きに努力する北山さんが、本当に寿々男を演じて楽しかったしいい経験になったんだろうと分かる発言を沢山してくれました。

猫スーツが可愛いくて悶えました。

公開までの日々が期待でいっぱいでした。

たくさんの人に観てほしい。今後の糧になるのであればどんな意見でも欲しい。とにかくみんな観てって公開前から思ってました。

 

だけど公開した今、少し違う気持ちでいます。

 

 

正直言って本編ずっと「しんどい」し「つらい」です。

可愛くてもかっこよくても面白くても微笑ましくてもクズでも展開を知ってても。

「しんどい」し「つらい」です。

 

 

左手薬指に光る輪。煙草を挟む指。煙を吐き出す口と鼻。可愛い寝癖。不審者コールで踊るサンバ。あんな授業参観は嫌だ。わたしにも噛みつけ《愛してるニャー》。そしてわたしにも噛みつかせろ《愛してるニャー》。先生って呼んで欲しくて拗ねる顔。鬼のお面を被って一万円泥棒をする寿々男。クズでダメで不審者でもとっても微笑ましい寿々男。

 

そんな寿々男、突然死にます。あっという間も息を呑む瞬間もないくらい。とんでもない速さで。

ここは鈴鹿か?と思わせるような速さで。

ボンっで終わりです。寿々男の人生、ここで終わりです。

辛いです。ストーリーを知ってても辛いです。覚悟する暇なんかありませんからね。

「ここ死ぬタイミングだな」「あ、この人死んじゃう」とか無いです。

「」こんな感じです。その後ジリジリと(あ、死んだ)って思います。奈津子が受話器を置いて「すーちゃん死んじゃった」って言う前に、(あ、死んだ)って分かります。鈴鹿並みの速さだもん。

 

(死んだんだな〜)と思ってたらいつの間にか猫になって落ちてきます。

本当に猫が落ちてきます。金時が演じるトラさんじゃないです。北山宏光が演じるトラさんのことです。

仕草一つ一つが猫なんですよ。

猫だなって思いましたもん。

人面猫とかじゃなくて、猫。

 

 

猫になっても寿々男は相変わらずです。わがままで騙されやすそうな感じが。

 

どーすりゃいいんだよー、なトラさんのところにホワイテストがやってきます。

ここ曖昧で申し訳ないんですけど、「行くべき場所があるはずよ?」的なことを言うんですよ。

それでトラさんもやっぱそうだよな〜って感じで家に向かいます。3人家族が住んでいた、奈津子と実優のいる家に向かいます。

ここすごくいいなって思いました。

行くべき場所があって帰る家があるってすごくいいなって思いました。

これって出た人にしか分からない感覚なんですよね。それこそ当たり前は当たり前じゃないって思わされました。

 

家に帰ったら悲しみに涙する人がいたり、それを慰める人がいたり。

帰ってきたぞーって揚々と入るけど猫だからみんな相手してくれません。そうですよ、勝手に入ってきて、相手してもらえるわけないじゃん。

浦上栄剛(要潤さん)に連れ出されます。

喉元ちょいちょいされて、気持ちよくて反抗できません。可愛い。

 

けど結果、実優が連れて帰ります。

本当に飼うの〜?なんて奈津子に言われながら飼われます。雌雄の確認もちゃんとされます。

 

俺本当に死んだんだな〜って棺桶の中の自分を見るんですよ。

このシーンが一番辛かったです。なんて言えば良いのか分からないくらい辛いです。

「きれいな顔してるだろ。ウソみたいだろ。死んでるんだぜ。それで。」なんて一瞬も思いませんでした。

鼻に綿を詰められて棺桶に入って死んでるんですよ。

これ映画だし、それ寿々男だし、なんて分かってはいるんだけど好きな人が死者の顔で死んでるんですよ。あんなに笑ってたのに、愛してるニャーって言ってたのに、もう二度とその口を動かしてくれることも、もう二度と煙草吸うことも煙を吐き出すこともしないんですよ。

カットの体感2秒とかなんですけど、一生分辛かったです。正直この後のシーン覚えてないくらいショックがでかかったです。

でもあんな鈴鹿並みの速さで消えちゃったのに綺麗なお顔してて救われました。

 

 

それからまた家族3人で過ごします。

沢山笑って温もりに包まれてる日々。

 

奈津子が妊娠するのも、実優が赤ちゃんいらないって言うのも、まあよくある展開じゃないですか。

そんな家族をすぐ近くで見てるパパ寿々男(現在トラさん)は一緒に喜んだり、抱きしめたり、慰めたり、元気付けようとします。でも猫だから言葉も本当の気持ちも伝わりません。構ってほしいの〜って言われるし、うるさいって流されるし。

 

そうこうしてたらペラペラと日々は過ぎていって、もう猫として一緒にいられるの日も残り少なくなっちゃって。

 

実優はママにお仕事を休んでほしい日。

ママは突然お仕事を休めない日。

トラさんは陽のあたる場所でゴロゴロしてる日。

そんな今日はプロポーズ記念日。この日は家族みんなで展望台に登る日。

 

実優が家からいなくなっちゃって、公園か友達の家かな〜なんて思って仕事に出かける奈津子。

ぼーっとしてたらハッ!と思い出すトラさん。走ります。実優が早まるといけないから。全力で展望台に向かいます。

展望台についてからのトラさんと実優が可愛い。この2人が家族で大正解って思うくらい。

 

猫すっげーです。

 

そして2人家に帰ったところにママも今日が大切な日だと思い出して帰ってきます。

でも声をかけてもトラさんの言葉は耳に届かないし、存在は目に入ってない。

 

人間の姿に戻りたい欲求が高まってトラさん裁判長に全力で談判します。

 

漫画の最終回を描き終えたい。

 

 

さあ描きましょうか。

 

 

この後の「パパ?これって夢?」からのシーン、心が震えます。これまでも何回かあった心が震える瞬間の倍、震えます。

 

時々寝ちゃいそうになりながらなんとか描きあげます。

その後のシーン、さっきの震えがすぐに思い出せるくらいまだそんなに時間が経ってないのにその倍震えます。

朝の柔らかい陽の中で笑い合う夫婦の笑顔。

 

光に包まれて、寿々男の愚かな人生挽回劇&トラさんの恩返しは終わります。

 

ストーリーはまだその後もあるんだけどね。

 

 

そしてクレジット。

今思えばこの映画を通してわたしが初めて涙を流した瞬間でした。

スクリーンの中についた白枠の中、黒地に白く流れる「北山宏光」の文字。

後ろで流れる「君を大好きだ」。

泣かんわけないだろ〜〜〜〜ぅううう゛。

あ〜でも「要潤」のときもめっちゃ泣いてた。高嗣が泣かせてくれます。

 

ハリウッド作品を見慣れてたわたしには短く感じたクレジットでした。でもパンフレットで見返したら本当に沢山の方が携わっていて、きっと載ってない場所でも沢山の方が携わっていて、皆さま一人一人に心から感謝致します。

ありがとうございます。

 

 

 

公開前「たくさんの人に観てほしい。今後の糧になるのであればどんな意見でも欲しい。とにかくみんな観て」と思っていましたが今では「たくさんの人に観てほしい。できれば褒めちぎってほしい。とにかくみんな観て」って思うようになりました。

 

正直言ってこの映画、北山さんが関わっていなかったら観ていません。絶対に。

だからこそこの映画に出会わせてくれた北山さん、そのまた前にある出会いを作ってくださったスタッフさんに何よりも感謝を伝えたいから、たくさんの人に観てほしい。

 

 

感想終わり。

 

 

 

今こうやって振り返ってみて、さっきクレジットで初めて涙を流したと書いて少し驚いたんですよね。だってすごく感動したもん。

でも何でかなって考えたとき、わたしきっと猫だったんですよ。

「この人寿々男だよ!すーちゃんだよ!パパだよ!」って言いたかった。嬉しい時は一緒に喜びたかったし、落ち込んでたら抱きしめてあげたかったし、泣いてたら慰めてあげたかったし、寂しそうな時は元気付けてあげたかったし、観てて伝えたいことが沢山あったんですよ。

みんなが何を言ってるのかとか今どんな気持ちかとか分かるのに、その心に寄り添うことしかできないんですよ。

何もしてあげられないんですよ。

誰かに感情移入するとか当事者になるとかじゃなくて、ただ観ることしかできないんですよ。

観た後にこうやって感想を書くことしかできないんですよ。

そうやって不甲斐なさにも似た虚無感のようなものを観ている間ずっと感じていたのかもしれません。

でも体験した感覚も確かにあります。嬉しい悲しい楽しい悔しいを経験したんですよ。

これって幸せなことだなって思います。

いつの間にか猫にされちゃって、だからこそ素敵な出会いがあって素晴らしい経験ができて。

 

すーちゃん、もしかしてわたしたち凄い体験したんじゃない!?

 

 

 

当たり前なんかこの世にない。

当たり前を当たり前と思わないように。

何度もいろいろな映画から教えてもらってます。もう知ってるよ、そんなこと。って思うくらい。

トラさんもそんなありきたりなテーマを扱ってはいるけれど、当たり前のことほど様々な面を持っていて、沢山の視点や角度から見ることができるものって他にはないから。

でもまさか猫の視点から見るとはね。

 

人生にとってこれほどしんどくて辛い90分は無いよ。もう経験したくないけど。

とか言いつつまたすぐに観に行きます。

 

この週末が勝負だから。

勝ちに行くぞ!

売れろ売れろ〜ฅ

 

 

 

 

推敲しておらず読みづらい部分が何度もあったと思いますが拝読頂きありがとうございます。

トラさん〜僕が猫になったワケ〜が多くの方の心に小さな爪痕を残せることを祈ってます。

15.02.19